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頻発する盗撮の状況

弊所がご相談や弁護のご依頼をいただく盗撮事件、ニュース等で取り上げられる盗撮事件において、よく見られる盗撮の状況を紹介します。似た状況で盗撮を行い、警察に逮捕・検挙されてしまった方やそのご家族の方は、お一人で悩みを抱えず、盗撮事件が専門であるアトム法律事務所の弁護士にご相談下さい。

レンタルビデオ店での盗撮

レンタルビデオ店での盗撮事件の事例

市職員、スカート内を盗撮の疑い

神奈川県警厚木署は31日、同県厚木市東町、同市職員X容疑者(25)を県迷惑行為防止条例違反(盗撮)容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、X容疑者は同日午後11時50分頃、同市中町のレンタルビデオ店で、客の女子大生(20)のスカート内をスマートフォン(高機能携帯電話)で盗撮した疑い。
近くにいた男性店員が取り押さえた。X容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。
(読売新聞 2013年6月1日)

女児盗撮現場を撮影、逮捕に貢献した大学生

福岡県警東署は、レンタルビデオ店で女児を盗撮していた犯人の逮捕に貢献したとして、福岡市の大学4年Xさん(21)に感謝状を贈った。
同署によると、久家さんは3月30日、同区千早のビデオ店で男(26)が女児のスカート内をカメラで盗撮しているのを発見。一部始終 を携帯電話で撮影し、男が店外に出たところで呼び止め、110番した。被害女児が特定できなかったため、同署は正当な目的がない のに店内に入ったとして男を建造物侵入容疑で逮捕した。
感謝状を受け取った久家さんは「被害者がトラウマになるかもしれないと思い、許せなかった。子どもを狙った犯罪はなくなってほしい 」と話した。
(読売新聞 2013年4月11日)

枚方市係長、ピンホールカメラで女子大生スカート内盗撮

女子大生のスカート内をピンホールカメラで盗撮したとして、大阪府警枚方署は6日、同府枚方市上下水道局給水管理課の男性係長(40)を府迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で地検に書類送検したと発表した。
調べに対し、「仕事のストレスなどで、1年前から30回くらいやった」と供述しているという。
同署によると、係長は7月6日午後2時35分頃、同市のレンタルビデオ店で、ピンホールカメラをつけたポーチを20歳代の女子大生のスカート内に差し入れ、動画で盗撮した疑い。
(読売新聞 2013年8月7日)

盗撮:容疑で支援学校教諭を逮捕−大阪府警

児童のスカート内を盗撮したとして、大阪府警和泉署は17日、大阪府和泉市聴覚高等支援学校教諭、X容疑者(55)を府迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で現行犯逮捕した。
逮捕容疑は、同日午後5時ごろ、同町のレンタルビデオ店で小学4年生の女子児童(10)のスカート内をスマートフォンで撮影したとしている。X容疑者は「スカートの中が見たくなった」と容疑を認めているという。
(毎日新聞 2013年2月18日)

今夏、県内で女性盗撮多発 7、8月に県警9人摘発

女性がスカート内を撮影される盗撮事件が岡山県内で多発している。特に女性が薄着になる夏場に入り件数は急増。県警は7、8月だけで9人を県迷惑防止条例違反容疑などで摘発した。スマートフォン(多機能携帯電話、通称スマホ)や超小型ビデオカメラを悪用。機器の性能は年々向上し、手口も巧妙化している。県警は実効性を高めるため、条例改正を行い、厳罰化を進めたい考えだ。
「仕事のストレスで2年前から100回以上盗撮した。ばれないと思い、1日10人撮ったこともある。スリルが快感だった」
水島署が8月21日、ドラッグストアで女性のスカート内を撮影したとして逮捕した倉敷市の30代の男は、取り調べで自らの犯行をこう語ったという。
使ったのは超小型ビデオカメラ。レンズの直径はわずか1ミリで、黒い機器を黒いスニーカーの靴ひもの下に仕込んでいた。
県警が今年上半期(1〜6月)、同条例違反の疑いなどで逮捕したのは13人。前年同期(26人)から半減していたが、7月に5人、8月は4人と急増している。
犯行場所はレンタルビデオ店やコンビニ、大型商業施設などすべて屋内。女性が商品選びに熱中している隙を背後から狙うケースが多い。スマホをかばんの内側に潜ませたり、サンダルと足の裏でスマホを挟んで隠し撮りするなど手口も巧妙化している。
警察は被害相談を受理すると、店内の防犯カメラなどで人相を特定。再び来店して同様の犯行に及ぶことも想定し、周辺で張り込みを続けるなど地道な捜査を行う。ただ、摘発しても「略式命令による罰金刑で終わることがほとんど」とある捜査関係者。
こうしたことを受け、県警は同条例の改正を進める方針。現在の「10万円以下の罰金」から「6月以下の懲役か50万円以下の罰金」への厳罰化を検討しており、来年4月の施行を目指す。
(山陽新聞 2013年9月8日)

レンタルビデオ店での盗撮の違法性

レンタルビデオ店での盗撮は、各県が定める迷惑防止条例に違反します。
ここでは、福岡県迷惑防止条例に基づいて、ご説明します。

(福岡県迷惑防止条例)
第 6条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
(2)他人が着用している下着又は衣服の中の身体をのぞき見し、又は撮影すること
(3)前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること
第11条 第2条又は第6条から第8条までの規定のいずれかに違反した者 は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第12条 常習として前条第1項の違反行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

上記にいう「公共の場所」とは、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。)をいい、「公共の乗物」とは、汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物をいいます。レンタルビデオ店も不特定多数の者が自由に出入りできる施設であるため、公共の場所にあたります。

レンタルビデオ店における盗撮の類型は、目的のビデオを探すため棚の傍に立っている、あるいはかがんでいる女性のスカートの中にスマートフォン等を差入れて下着等の撮影をするというものが考えられますが、見知らぬ男性に、自分の極めてプライベートな部分を密かに撮影されるということは、これを知った女性を極めて強く羞恥させ、不安を覚えさせる行為といえます。

盗撮事件がレンタルビデオ店で頻発する背景

レンタルビデオ店は、盗撮事件が多く生じている場所です。警察庁が平成25年に公表した警察白書によると平成24年の盗撮の摘発件数は2,408件で、そのうち書店・レンタルビデオ店での盗撮は313件に上ります(全体の13%)。この数字は、駅・電車(1位)、ショッピングモール(2位)に続く3位のものとなっています。
レンタルビデオ店で盗撮事件が起こりやすいのは、どうしてでしょうか、(1)加害者・被害者となり得る人が多い、(2)盗撮の機会が生じやすい、(3)盗撮の手段となる道具を用いやすい、(4)盗撮をしていることが気付かれにくい場所という4点から検討してみましょう。

(1) 加害者・被害者となり得る人が多い場所

当然のことのようですが、盗撮事件が生じるのは、盗撮を行う男性と盗撮の対象となる女性がいる場所です。男性と女性がいない場所では盗撮事件は起きません。逆に、盗撮の潜在的な加害者となる男性と被害者となる女性が多く集まる場所では、人の少ない場所よりも相対的に盗撮事件が生じやすくなります。
一般的なレンタルビデオ店は、子供からお年寄までを対象とする多種多様なアニメ、映画を取り揃えています。また、ビデオ(DVD等を含みます)は、再生機(パソコンを含みます)があれば楽しめる娯楽の一つで、人数も問いません。CD販売店や書店を併設している店舗も多くあります。そのため、幅広い年齢層の男性・女性がレンタルビデオ店を訪れています。
立地も重要です。テンタルビデオ店は駅ビルや駅周辺、繁華街などに店舗を置くことが多く、それゆえに不特定多数の男性・女性が訪れやすい環境にあることが多いといえます。

(2) 駅は盗撮の機会が生じやすい場所

平成23年の警察庁の発表によると平成22年の盗撮の摘発件数は1,741件で、そのうちの98%に当たる1,702件が「下着などの盗撮」でした。平成25年の警察白書には盗撮された部位に関する統計は掲載されていませんが、下着など、スカートの下から密かに撮影がされているケースが多いと考えられます。
レンタルビデオ店にいる女性は、盗撮がしやすい状態にあるといえます。商品を探す際には、①棚に向かい、通路を背にしていることが一般的なため、背後に立ちやすいこと、②動きが少ないこと、③商品に意識を集中するため周囲への注意が散漫になりやすいこと、④低い位置に商品があることも多く、女性がしゃがむ機会が多いこと、男性がしゃがんでいても不自然ではないこと、がいえるためです。また、目的のビデオを探して歩き回る行為と盗撮の対象を探す行為とが外見上区別がつきにくいため、犯行がやりやすいと考える男性もいると思われます。

(3) レンタルビデオ店は盗撮の手段となる道具を用いやすい場所

前述の通り、レンタルビデオ店は、女性が通路側に背中を向けて、数分程度、ビデオの紹介等に集中した状態で静止しているという環境があります。そのため、背後・左右への注意が散漫になっており、盗撮されていてもこれに気が付きにくい状態にあります。
また、周囲の人間も、目的のビデオの棚を探している者以外は、男性・女性とも自分の見ているビデオのパッケージ等に集中しており、他人が何をしているか、されているか把握しにくい状態にあります。一般的に本棚には背丈が高いものを用い、他の書棚との間隔を詰めて設置するため、見通しがあまりよくないこと、人員に余裕のある店舗でなければ店員はレジで待機していることが多いのもこれらの点を強める要因です。
さらに、レンタルビデオ店では、探している本が配置してあった書棚の前に立って内容を確認するのが一般的であるため、空いている店内で、女性の隣や背後に(背中向きで)立ったとしてもさほど不自然ではない環境といえます。

(4) レンタルビデオ店は盗撮をしていることが気付かれにくい場所

前述の通り、レンタルビデオ店は男性女性とも周囲への注意差が散漫になっており、盗撮に気が付きにくい場所の一つになっていると言えます。また、人員に余裕がない一般のレンタルビデオ店の店員はレジにいることが多く、頻繁な見回りを行わない傾向があります。そのため、店員による発見の機会も少ないといえます。
犯罪学上、「自分の行動が他人に見られているかもしれない」と感じさせることは、人を犯罪から遠ざける、抑止のための有力な方策とされています。しかし、レンタルビデオ店は、被害者や周囲の人が盗撮に気付きにくい環境であるため、この抑止の力が働きにくいのです。これも盗撮がレンタルビデオ店で頻発する一つの理由です。

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