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盗撮事件の裁判例

刑事事件の裁判例

最高裁判所の盗撮事件に関する判決

最高裁判所第三小法廷平成19年(あ)第1961号

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人古田渉の上告趣意のうち,憲法31条,39条違反をいう点については,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和40年北海道条例第34号)2条の2第1項4号の「卑わいな言動」とは,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうと解され,同条1項柱書きの「公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がないのに,著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような」と相まって,日常用語としてこれを合理的に解釈することが可能であり,所論のように不明確であるということはできないから,前提を欠き,その余は,単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人本人の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 所論にかんがみ,職権で検討するに,原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。
 すなわち,被告人は,正当な理由がないのに,平成18年7月21日午後7時ころ,旭川市内のショッピングセンター1階の出入口付近から女性靴売場にかけて,女性客(当時27歳)に対し,その後を少なくとも約5分間,40m余りにわたって付けねらい,背後の約1ないし3mの距離から,右手に所持したデジタルカメラ機能付きの携帯電話を自己の腰部付近まで下げて,細身のズボンを着用した同女の臀部を同カメラでねらい,約11回これを撮影した。
 以上のような事実関係によれば,被告人の本件撮影行為は,被害者がこれに気付いておらず,また,被害者の着用したズボンの上からされたものであったとしても,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らかであり,これを知ったときに被害者を著しくしゅう恥させ,被害者に不安を覚えさせるものといえるから,上記条例10条1項,2条の2第1項4号に当たるというべきである。これと同旨の原判断は相当である。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官田原睦夫の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
 裁判官田原睦夫の反対意見は,次のとおりである。
 私は,本件における被告人の行為は,本件条例2条の2(以下「本条」という。)1項4号の構成要件には該当せず,したがって,被告人は無罪であると思料する。
1 本条は以下のとおり規定している。第2条の2「何人も,公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がないのに,著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。(1)衣服等の上から,又は直接身体に触れること。(2)衣服等で覆われている身体又は下着をのぞき見し,又は撮影すること。(3)写真機等を使用して衣服等を透かして見る方法により,衣服等で覆われている身体又は下着の映像を見,又は撮影すること。(4)前3号に掲げるもののほか,卑わいな言動をすること。2 何人も,公衆浴場,公衆便所,公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態の人の姿態を,正当な理由がないのに,撮影してはならない。」
2 本件条例の規定内容から明らかなように,本条1項4号(以下「本号」という。)に定める「卑わいな言動」とは,同項1号から3号に定める行為に匹敵する内容の「卑わい」性が認められなければならないというべきである。そして,その「卑わい」性は,行為者の主観の如何にかかわらず,客観的に「卑わい」性が認められなければならない。かかる観点から本件における被告人の行為を評価した場合,以下に述べるとおり,「卑わい」な行為と評価すること自体に疑問が存するのみならず,被告人の行為が同条柱書きに定める「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような行為」には当たるとは認められない。
 以下,分説する。
3 「臀部」を「視る」行為とその「卑わい」性について
 本件では,被告人が被害者とされる女性のズボンをはいている臀部をカメラで撮影した行為の本号の構成要件該当性の有無が問われているところから,まず,「臀部」を被写体としてカメラで撮影することの「卑わい」性の有無の検討に先立ち,その先行概念たる「臀部」を「視る」行為について検討する。
(1)本件では,被害者たる女性のズボンをはいた「臀部」は,同人が通行している周辺の何人もが「視る」ことができる状態にあり,その点で,本条1項2号が規制する「衣服等で覆われている部分をのぞき見」する行為とは全く質的に異なる性質の行為である。
(2)また,「卑わい」という言葉は,国語辞典等によれば,「いやらしくてみだらなこと。下品でけがらわしいこと」(広辞苑(第6版))と定義され,性や排泄に関する露骨で品のない様をいうものと解されているところ,衣服をまとった状態を前提にすれば,「臀部」それ自体は,股間や女性の乳房に比すれば性的な意味合いははるかに低く,また,排泄に直接結びつくものでもない。
(3)次に,「視る」という行為の側面からみた場合,主観的には様々な動機があり得る。「臀部」を視る場合も専ら性的興味から視る場合もあれば,ラインの美しさを愛でて視る場合,あるいはスポーツ選手の逞しく鍛えられた筋肉たる臀部にみとれる場合等,主観的な動機は様々である。しかし,その主観的動機の如何が,外形的な徴憑から窺い得るものでない限り,その主観的動機は客観的には認定できないものである。 
 もっとも,「臀部を視る」という行為であっても,臀部に顔を近接させて「視る」場合等には,「卑わい」性が認められ得るが,それは,「顔を近接させる」という点に「卑わい」性があるのであって,「視る」という行為の評価とは別の次元の行為である。
(4)「臀部を視る」という行為それ自体につき「卑わい」性が認められない場合,それが,時間的にある程度継続しても,そのことの故をもって「視る」行為の性質が変じて「卑わい」性を帯びると解することはできない。もっとも,「視る」対象者を追尾したような場合に,それが度を越して,軽犯罪法1条28号後段の「不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者」として問擬され得ることは,別の問題である。
(5)小括
 以上検討したとおり,「臀部を視る」行為自体には,本条1項1号から3号に該当する行為と同視できるような「卑わい」性は,到底認められないものというべきである。
4 「写真を撮る」行為と「視る」行為との関係について
 人が対象物を「視る」場合,その対象物の残像は記憶として刻まれ,記憶の中で復元することができる。他方,写真に撮影した場合には,その画像を繰り返し見ることができる。しかし,対象物を「視る」行為それ自体に「卑わい」性が認められないときに,それを「写真に撮影」する行為が「卑わい」性を帯びるとは考えられない。その行為の「卑わい」性の有無という視点からは,その間に質的な差は認められないものというべきである。
 本条1項2号は,上記のとおり「のぞき見」する行為と撮影することを同列に評価して規定するのであって,本件条例の規定振りからも,本条1項は「視る」行為と「撮影」する行為の間に質的な差異を認めていないことが窺えるのである。なお,本条1項3号は,本来目視することができないものを特殊な撮影方法をもって撮影することを規制するものであって,本件行為の評価において参照すべきものではない。もっとも,写真の撮影行為であっても,一眼レフカメラでもって,「臀部」に近接して撮影するような場合には,「卑わい」性が肯定されることもあり得るといえるが,それは,撮影行為それ自体が「卑わい」なのではなく,撮影行為の態様が「卑わい」性を帯びると評価されるにすぎない。
5 「卑わい」な行為が被害者をして「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような」行為である点について
 被告人の行ったカメラ機能付き携帯電話による被害者の臀部の撮影行為が,仮に「卑わい」な行為に該当するとしても,それが本号の構成要件に該当するというためには,それが本条1項柱書きに定める,被害者をして「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような行為」でなければならない。なお,その行為によって,被害者が現に「著しくしゅう恥し,又は不安を覚える」ことは必要ではないが,被害者の主観の如何にかかわらず,客観的に「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような行為」と認められるものでなければならない。
 ところで,本条1項の対象とする保護法益は,「生活の平穏」であるところ(本件条例1条),それと同様の保護法益を保持することを目的とする法律として,軽犯罪法があり,本件の規制対象行為に類するものとしては,「正当な理由がなくて人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」(1条23号)や,前記の「不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者」(1条28号後段)が該当するところ,法定刑は,軽犯罪法違反は拘留又は科料に止まるのに対し,本条違反は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されるのであって,その法定刑の著しい差からすれば,本条1項柱書きに定める「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせる行為」とは,軽犯罪法が規制する上記の各行為に比して,真に「著しく」「しゅう恥,又は不安」を覚えさせる行為をいうものと解すべきものである。
6 本件における被告人の行為
 原判決が認定するところによれば,被告人は被害者の背後を約5分間,約40m余り追尾して,その間カメラ機能付きの携帯電話のカメラを右手で所持して自己の腰部付近まで下げて,レンズの方向を感覚で被写体に向け,約3mの距離から約11回にわたって被害者の臀部等を撮影したというものである。
 そこで,その被告人の行為について検討するに,その撮影行為は,カメラを構えて眼で照準を合わせて撮影するという,外見からして撮影していることが一見して明らかな行為とは異なり,外形的には撮影行為自体が直ちに認知できる状態ではなく,撮影行為の態様それ自体には,「卑わい」性が認められないというべきである。
 また,その撮影行為は,用いたカメラ,撮影方法,被写体との距離からして,被写体たる被害者をして,不快の念を抱かしめることがあり得るとしても,それは客観的に「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような行為」とは評価し得ないものというべきである。
 加えるに,4で検討したとおり,「臀部」を撮影する行為それ自体の「卑わい」性に疑義が存するところ,原判決に添付されている被告人が撮影した写真はいずれも被害者の臀部が撮影されてはいるが,腰の中央部から下半身,背部から臀部等を撮影しているものであって,「専ら」臀部のみを撮影したものとは認められず,その画像からは,一見して「卑わい」との印象を抱くことのできないものにすぎない。
7 結論
 以上,検討したところからすれば,被告人の本件撮影行為それ自体を本号にいう「卑わい」な行為と評価することはできず,また,仮に何がしかの「卑わい」性が認め得るとしても本条1項柱書きにいう「著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせる」行為ということはできないのであって,被告人は無罪である。
(裁判長裁判官 藤田宙靖 裁判官 堀籠幸男 裁判官 那須弘平 裁判官 田原睦夫 裁判官 近藤崇晴)

平成19年(あ)第1961号
   上告趣意書
被告人 ○○○○
 上記の者に対する公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件の上告の趣意は次のとおりである。
平成19年11月27日
上記弁護人 古田渉
最高裁判所第三小法廷 御中
第一点
憲法違反
 原判決が適用した本件罰条(第2条の2第1項第4号)は憲法第31条,第39条に違反し,無効であるから原判決は破棄さるべきである。
1.憲法第31条,第39条は罪刑法定主義を規定し,犯罪行為とその刑罰は予め法律で規定されていることが必要である。
 犯罪行為の特定は構成要件の基本的かつ不可欠な要素である。
 法律は法の秩序を維持する目的と個人の自由を保護する目的の間に正しい一線を画することにあるとされ,そこで重要なのが構成要件の充実した明確化である。
2.本条第4号は単に「前第3号に掲げるもののほか,卑わいな言動をすること」と規定されており,犯罪行為の内容が極めて不明確であり,法が求める構成要件の重要な要素である行為の特定がされていない。
「卑わい」と言う言葉は講談社日本語大辞典(金田一春彦外2名監修)によれば「下品でみだらなこと」とあり,また「みだら(淫ら,猥ら)」とは「男女のつきあいが乱れているさま,不品行,わいせつ,いんわい」とあり,また法律用語辞典には見当たらない。
 本条(1)〜(3)号のように具体的な規定を設けても本件のように解釈を間違えて誤った起訴((2)号)が為されるわけで本件(4)号のような構成要件の規定では犯罪行為の特定として国民に周知させる機能は果たせない。
 栃木県の条例第三条は本条例第4号のような抽象的は規定を設けていないが,罪刑法定主義の原則上当然のことと解される。
 原判決はこの点について迷惑防止条例2条の2第1項4号の構成要件は同条1項本文の文言と相まって明確なものであると判示するが,上述のとおり4号は犯罪の特定について殆ど意味を為さない以上本文の文言と併せ解釈しても特定性の効用は果たされない。
3.構成要件の規定は極めて厳格性が求められ,本件第2号の解釈の争いがそのことを示している。
 本条第4号は構成要件上必要とされる犯罪行為の特定がなされていないので,憲法第31条,第39条に違法し,無効である。
 よって本件は無罪であるから原判決の破棄を求める。
第二点
 事実誤認,法令解釈適用の誤り
 原判決には判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認及び法令解釈の適用の誤りがあるから破棄さるべきである。
 被告人の撮影行為が条例2条の2第1項4号に該当するかについて,一審判決は「被告人は約5分間にもわたって被害者を付けねらった上,その約1メートルないし三,四メートルの至近距離まで近づいて,何度となく,右手に持った携帯電話を自己の腰付近まで下げるという体勢で携帯電話を構えて被害者の後ろ姿を撮影したことが認められる。しかし,前記認定のとおり,その行為がズボンを履いていて形のくっきりとした被害者の臀部等に性的な興奮を感じた被告人が,自己の性的欲求を満足させるために,被害者の臀部を隠し撮りしようとしたものであるとまではいえない。また,約5分間にもわたって被害者を付けねらった上,その約1メートルないし三,四メートルの至近距離まで近づいて,何度となく,右手に持った携帯電話を自己の腰付近まで下げるという体勢で携帯電話を構えて被害者の後ろ姿を撮影したことは,確かに,不審かつ不気味であり,その場所が地域住民の安心して買物できるはずのデパート内であったことを考慮すれば,被告人による撮影に至るまでの行為は,人にしゅう恥心を抱かせ,かつ不安を覚えさせるものであるといえなくはないが,しかし,その程度は,社会通念上,容認できないほどにはなはだしいと認められるほどの卑わいな行為と認めることはできない。したがって,被告人の行為は,同項4号に該当しないというべきである。」として無罪の判断をし,これに対して原判決は「被告人が被害者の臀部をねらって撮影したこと,この撮影行為が迷惑防止条例2条の2第1項4号に該当することは明らかであるから被告人を無罪とした原判決には判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認及び法令の解釈適用を誤った違法がある。」として有罪の判断をした。
 弁護人は本件(訴因取下の条例2条の2第1項2号も含む)について一審から無罪を主張し,一審では両訴因共に無罪となった。本起訴の2号事件は控訴審において訴因取下げとなった。
 本件は一審において2号事件が通常手続に付せられてから追加捜査の上追起訴されたもので一審判決後も捜査を重ねて主張したもので,捜査,公訴起訴の常道に反する質の悪い事案であることを十分認識すべきである。
 一審は被告人,弁護人の主張を十分吟味していると理解されるが,原審は全く軽視しており極めて不当でその結果判断を誤っている。
 弁護人は一審の判決を支持しておりその主張は以下のとおりである。
一,撮影の目的,方法その他について
1.原判決は,被告人は被害者の臀部をねらって撮影したと認定しているが,被告人は被害者の臀部をねらったものではなく,被害者の体全体の後ろ姿を撮影したものである。また少なくともそのように理解出来る合理性がある。
 また被告人は正確を期して撮影したものではなく,携帯電話のカメラを腰の付近まで下げ,レンズの方向は感覚で被写体に向けるという不安定,不正確で雑な方法であった。
 本件撮影方法については,撮影の形を問題にしているが,画面をのぞかず被写体を見ないで写しているので,厳密には被写体の特定部位をねらって写したとは言えない。
 尚,本件カメラの画面には覗き見防止シートが貼っており,顔に正対しストレートに見なければ画面を見ることができない(被告人上申書)。
 その上,双方が歩き乍らの撮影は更に不正確となる。
 臀部をねらう撮影方法としては極めて不自然であり,後ろ姿を写したという被告人の主張には実感があり否定できない。
 写真に臀部が写っているのは必ずしも臀部をねらって写したものとは断定できず,後ろ姿全体を写したため,体の中央部にある臀部が自動的に写ったものと理解することができる。
 被害者の夫○○の検甲6の供述調書によれば,商品を見ている妻の後ろ姿に携帯電話を向けて妻を盗撮したのを見た旨の供述をしている。
 写真が11枚となったのは,特に11枚を意識して撮りたくて撮ったものではなく,撮影方法が不安定で雑なため,ピンボケ等失敗もあると考え連続してシャッターを切った結果であり,特に多数枚をねらって撮影したものではない(例えば検乙2被告人の供述調書によれば被害者が自動ドアを入る時シャッターボタンを2回続けて押して2枚撮影し,入口を入って3枚,靴売り場で5枚位連続して撮影)。
 カメラを腰付近に構えての撮影方法が問題視されているが,撮影の方法は被写体との関係で多様な形が考えられ,仮に変則と言えても特別奇異な方法とは言えず,少なくとも社会通念上容認できないほど甚だしいと認められるほどの卑わいな行為として,犯罪行為を形成するとは認められない(平成19年3月26日付実況見分調書添付の写真参照)。
 同調書によれば,最初被告人が携帯電話でメールでも打っているのかなと思いましたが,・・・・と述べているが,最近は辺り構わずメールを打っている姿が見られ,さほど不自然な姿ではなかったと推測される。
 尚,被害者は撮影されるところを見ておらず,撮影行為自体については,不安,不快を感じていない。一方,被害者の夫の監視下にあった。
 被告人の供述調書によれば後日この画像を見て寂しさを紛らわすために利用する目的で撮影した趣旨の供述をしているが(一審供述で否定)後述の写真の状況から考えるとそのような目的には使用不能な写真である。
 また他人に譲渡したり,加工して利用するような利用価値のないものである。
 尚,本件写真はすべて顔が写っておらず人物も特定されておらず,二次被害の生じない写真である。
 ところで,臀部という言葉は日常生活では使われず,普通はお尻,ヒップである。
 検察官は衣服等で覆われている上からの撮影の違法性にこだわるが,例えば女子ゴルフのテレビ中継でみられるパットをする際の写真では多くの選手のヒップの写真が多様な形で写し出されますが,(公知の事実)ギャラリーは健康的で美しいお色気を感じても嫌らしいとか卑わいだと感ずる人はいないはずです。
 ちなみに,ギャラリーの中には選手に了解なく同様の写真を撮っているし,又観光地,海水浴場でも同様の写真が撮られていることは経験則上明らかであるが,条例違反で起訴された例は無いと思われる。
 上記ゴルファーは心身共に健康な普通の女性であり特異な女性ではない。彼女達が異を唱えないのは上記撮影行為が条例第2号に違反しない衣服等で覆われている上からの撮影であり,著しくしゅう恥を感じたり不安を覚えないからである。
 従って着衣の上からの撮影をねらったからと言って直ちに本件行為が違法とは断定できない。
2.写真の状況
(ア)写真にはすべて第三者が写っており密かに被害者の臀部の写真を撮影する目的に沿わない。
(イ)被害者の夫○○の供述調書によれば,添付写真〔10〕,〔11〕は正面玄関を入るところ,〔7〕,〔8〕は正面玄関を入ったところの被害者と夫と娘の写真,〔6〕は夫が妻の背中を押しながら歩いているところ,〔5〕は夫が妻を先導して歩いているところ,〔4〕は夫と妻が並んで歩いているところ,〔2〕,〔3〕は夫,妻,娘が立ち話をしているところ,〔1〕は妻と娘が商品を見ているところのそれぞれの写真である。
 上記写真の状況からすれば被告人は被害者と夫と娘の3人の買物風景を撮影したことになり,被害者の臀部の写真をねらったものと断定することは出来ない。
 また,○○に行った時に心の慰めに利用できるような写真でもなく,この点についての被告人の供述調書の供述は事実に反する。
(ウ)臀部だけの写真は無い。
(エ)〔8〕,〔9〕はピンボケ写真であり,11枚から除外すべきである。
 撮影目的から考えると〔11〕,〔10〕,〔6〕,〔1〕の写真も撮影目的とは全く符号しない。
(オ)本件写真及びその余の写真も含めて,第2号,第3号違反の写真は1枚もない。またのぞき見的な写真は全写真中にもない。
(カ)本件写真からは自己の性欲を満たすべく撮ったことを裏付けする写真は1枚も見あたらない。本件写真は多数の来客の中,家族で買物をしている写真であり,このような目的にはそぐわない。
(キ)原判決は本件画像中フレームが設定されている画像1枚につき,フレームを設定するには通常の撮影方法とは別の操作が必要である旨判示する。
 しかし,取扱説明書145Pによれば「静止画にフレームを付けて撮影することができます」と書いてある。検察が示した複数の操作を決められた順序どおりに行なう方法以外でもフレームは出現可能であり,しかもその方法はシャッターボタンのすぐ右隣のボタンを1回押すだけでハートマークがでるという単純なものである。また,このボタンはカメラを起動させるボタンであるからカメラが作動してる状態にあることを忘れて再び起動させようとしても出現可能であり偶然押ささったとしても撮影可能である。一度ならず二度までも・・・というがボタンが押さされば何度でも出現可能である。したがってハートマークによって臀部が引き立つ効果があるから臀部をねらったと推認するのは論理に飛躍がある原判決の判断は明らかに誤っている。
3.被害者の後ろを付けねらったとされる撮影時間5分間の状況
 検乙2,被告人の供述調書によれば被告人が店内に入ろうと思った時,店内に入ろうとしている被害者が前に居たのでその後に続き,自動ドアを入る時2枚,入って直ぐのところで3枚それぞれ連続して撮影した。
 その後靴売場で5枚撮影し,撮影の打ち切りを考えて中央広揚のベンチで休んでいたところ,被害者が近づいて来たので最後に1枚(上記〔1〕の写真と思われる)撮ったというものである。
 最初の5枚は被害者と一緒に店内に入った際の写真であり,最後の1枚は撮影を打ち切ってベンチに座っている時に被害者が近づいてきた為,たまたま撮ったものである。
 上記の状況なので被告人が被害者に近寄って撮影したのは靴売場の5枚位で時間も2〜3分以内と推測され,極めて短時間であり,後ろを付けねらったとの表現は正確ではなく,犯罪行為を形成するような行為とは認められない。
4.本件撮影行為と撮影に至るまでの行為について
イ.検察官は本件につき,当初撮影行為を第2号事件として捜査し,略式起訴とした。その後第4号事件として捜査し追起訴としたのは,上記略式請求につき一審が通常手続に付するとの決定をした後のことである。
 検察官が当初第2号事件を略式起訴して事件を完結することを考えたのは本件撮影行為が第2号に該当する犯罪行為と判断して当該犯罪の手段等付随する行為については独立して犯罪行為を形成するとの認識がなかったか,少なくとも撮影行為に付随する軽微な行為として不問に付するのが相当と判断したからと推測される。
 にも拘わらず,その後上記のとおり第4号事件について思い出したように追加捜査をして追起訴した理由については,一審での釈明申立に応じないので不明であるが,不自然であり不可解である。
 推測するに,一審検察官は一審が第2号事件について略式請求を認めず,通常手続に付するとの決定をした為,第2号事件の控訴維持に不安を感じ,安全策として一度不問に付した残余の行為について構成要件の不明確な第4号事件で追起訴することを考え,更に被害者とその夫を取調べ,追起訴に都合の良い供述を得た上,被告人に弁解の機会を与えることもなく追起訴したことが考えられ,捜査,起訴の常道から外れた不純なものを感ずる。
 本件撮影行為は一審において無罪となり,検察官は控訴審において(控訴趣意書提出後)第2号の罰条を訴因変更により取下げ,犯罪行為に当たらないことが事実上確定したにも拘わらず,当初不問に伏した撮影に至までの行為の公訴の維持に懸命になっている。
 よって当初犯罪行為とされた本件撮影行為の手段等と考えられた撮影行為に至るまでの行為についても犯罪の手段等としての犯罪性が消滅若しくは変質したと理解される。
ロ.上記のとおり,被告人は被害者の後姿を撮影する目的で,本件撮影をしたものであるが,撮影行為が違法でない限り撮影行為に至るまでの行為についても違法性は認められない。
 被告人は,臀部をねらうなどの卑わいな言動をする認識も人を著しくしゅう恥させ,かつ不安を覚えさせるような認識もなく,またそのような行為を行なっていない。
 被害者は本件撮影されたことについて当時一切認識していない。
 両者の接近の状況については被害者が撮影時に被告人の姿を認識していないこと,シャッター音も聞いていない事実を考慮すべきである。
 ○○の供述調書によれば,被告人の行動を観察して,妻がズボンを履いているので盗撮することもないだろう,また他のお客さんや店員さんもいましたのでまさかいきなり妻に襲いかかって何かすることも無いだろうと思い,ひったくりでもやろうとしているのかなとか,それとも娘の方に何か危害でも加えようとしているのかなと思い,いずれにしても警戒していなければいけないと思い,妻に不審な男がいるので注意するようにと言いましたとある。
 ○○の供述によれば被告人の言動を子細に観察していたのであるが,現実には被害者と被告人の間に割って入るとか被害者に接近して防禦する必要を感ずるような被告人の不自然な行動はみられなかったと推測される。
 以上の状況は被害者に接近した場所で又被害者の夫の監視下で犯罪が行なわれたとはとうてい認められない状況である。
ハ.本件撮影に至るまでの行為の目的は,衣服等で覆われている体の上から撮影することであることは争いのない事実であり,これが第2号違反に該らないことは一審決判示のとおりであり,検察官も控訴審で訴因変更をして認めているところである。その結果違法行為に当たらない撮影行為に向けた極く短時間(2,3分以内)の追尾行為及び被害者の撮影を目的とした撮影行為も違法とは言えない。
 撮影すべく被写体をねらった行為が違法でその目的を実行して撮影した行為が違法でないということは論理上あり得ない。 
 検察官は,例えば薄手で下着が透けて見えたり,体の線がくっきりと出るような下着を身につけた女性に対し,着衣の上からといえ,至近距離から局所的かつ執拗に胸部や臀部等を撮影するがごとき行為は処罰されなければならないと主張するが,本件は上記事例と異なる事例であり,検察官の主張を認めると事実誤認が生ずるし,不当な拡張解釈となる。
 本件は,元○○県警に居たと称する(警察官であった否かは身分不明)被害者の夫が被告人の行動を監視し,違法行為に該る盗撮との疑いをもって被告人を尋問し,携帯電話を取上げようと実力行使し,更に事実上逮捕して警察に引渡しその後捜査が行なわれた結果,検察官が法令の解釈を誤って第2号事件として略式起訴した事件である。
 上記○○の行為は過去の県警警察官によみがえっての行動の感があり,過剰な行動と言わざるを得ない。
 また被告人の引渡を受けた警察官にとっては被害者が元同僚の警察官の妻であり,元同僚が捕まえた被疑者であったわけである。
上記のとおり本件は第4号にも該当しないものである。
5.被害者と被害者の夫の供述調書について
(1)7月21日付供述調書
イ 被害者の供述調書(検甲4)
「・・・撮影され恥かしい」とあるが,著しくとは述べていない。
「・・・非常に気持ちが悪い」と述べているが,不安については述べていない。
「犯人を許すことはできません」と述べているが,厳罰を求めていない。
ロ 被害者の夫の供述調書(検甲6)
 被害感情について「犯人については反省してほしいと思っています」とあり,厳罰を求めていない。
(2)11月11日付供述調書(簡裁の決定11月2日,追起訴11月16日)
イ 被害者の供述調書(検甲4)
「厳重に処罰して下さい」と厳しく変化している。
ロ 被害者の夫の供述調書(検甲7)
「そんなに重たくない罪なのかもしれませんが・・・厳重に処罰していただきたい」と厳しく変化している。
「妻だけではなく,数多くの女性の後ろ姿などを撮っていたということですから・・・常習的なものだと思われます。」とあり,常習性については不当な予断を与えて被害感情を悪化させて供述を求めたことは顕著である。
(3)上記両名の供述調書は2号事件の補強と4号事件の追起訴を念頭に,供述人に不当な予断を与え供述を求めた疑いがあり,信用性に乏しい。
(4)平成19年4月11日付被害者夫の供述調書
ア.一審判決後の供述調書で反対尋問を受けておらず,信憑性に乏しい。
イ.盗撮が違法であると考えて被告人を事実上逮捕しているが,盗撮が違法との判断は間違えていた。
ウ.○○県警に在籍していたことを被告人に告げたのは被告人から質問を受けたからと述べているが,被告人の供述調書(検乙2)によれば,ベンチに座っていたところ,○○氏が来て「何しているんだ。盗撮したんじゃないの」と聞かれたが黙っていたところ,「○○県警察に勤ていたことがある」と名乗ったとあり,○○自ら名乗ったものである。
 ○○が県警察官であった旨の威圧,ハッタリを告げなければ被告人は事情を説明して謝る等,その場の状況は異なる状況となったことが想像される。
 同氏が被告人の行動を何か犯罪を犯すのではないかと監視していた,盗撮したと思ったとの供述からすれば,自称元県警警察官としてどのように被告人に接したか想像されるところである。
エ.被害者夫婦は被告人を無罪にすると再犯を犯すので有罪にしてほしいと訴えるが,あまりにも主観的,感情的な訴えのように思われる。
 被告人の身上・経歴は弁論要旨記載のとおりであり,有罪の事案の一般論として考える場合,再犯可能性が無いか若しくは極めて低いと判断されるべき事案である。
 被害者らの論理からすれば被告人の心情としては今後同様の行為は絶対に繰り返さない決意なので,一審どおりの判決をお願いしたいという気持ちである。
 それは別として,被害者らは量刑上の理由,起訴猶予の事情を根拠に有罪を主張するのは論理の飛躍である。また検察官が控訴趣意書で被害者の考え方を支持しているのは理解し難い。
 原判決は上記状況について信用性を著しく損なう内容があるのを見落としている。
6.被告人の供述調書について
ア.被告人の供述調書は何れも略式起訴前のものであり,本件撮影行為(第2号違反)に関するものである。
 本件第4号違反の捜査では被害者及び同人の夫の調書はあるが,被告人の調書はない。
 従って第4号事件については被害者側の調書のみで被告人の弁解の機会を与えないで追起訴したものであり,不正常な捜査に基づく追起訴である。
イ.被告人は第1回公判における被告人質問で次ぎのように述べている。
 私の供述証書の中に,おしりという言葉とか,ほかにも私が述べていないことが書かれていたので,調書を書き換えてもらいたいと言いましたが,警察では,あんたの言うことをそのまま書くわけにはいかないよと言われ真実を記載してもらえなかった。
ウ.不自然な供述調書の例示
検乙2号
 買物中の女性のお尻を・・・撮影したことについて話します。
 洋服を着ていて素肌が見えない状態でも撮影することは法律の名前までは知りませんでしたが,違反することは知っておりました。
検乙3号
 今回のように隠れて女性のお尻などをカメラで撮影するような破廉恥な行為は撮られた女性を著しくしゅう恥させ,不安を覚えさせる行為であることは,何となく頭の片隅にはありました。
 何となく頭の片隅にありましたと言う言葉は否認する被告人と自供させたい取調官との対立の中で創作された妥協の供述と理解されるが,被告人は押しつけられたとしている。
エ.第2回公判調書の被告人質問で述べているように,被告人は違法の認識が無かったが,取調べの間に法律に違反しているという追求を受け,大変なことをしてしまったと悩んだ結果,心因反応の症状となり,旭川市の○○病院,稚内の○○病院に通院し長期自宅療養をし,○○を欠勤することとなった(両病院の診断書は一審で書証の幅をしたが不同意で不提出となった)。
 被告人は○○という規律の厳しい職業であった為,本件を認める供述を求められた精神的な打撃は甚大であったことが想像される。
 上記のとおり被告人の供述調書については信用性の減殺について相当な配慮がされるべきであるが,原判決にはそれがみられない。
7.逃走,携帯電話の破損
 原判決は被告人が逃走を図ったのは盗撮行為の違法性を十分認識していたからであると判示しているが,実情は被害者の夫が元警察官である旨を告げ被告人の行為を盗撮行為であるとして問い詰められたためその威圧に恐れを感じてその揚を立ち去ろうとしたものであり,違法性の認識をしていたわけではない。
 また,携帯電話が破損したのは被害者の夫が被告人から携帯電話を無理に取り上げようとした為に破損したものであり,被告人の行為によるものではない。
8.検察官が控訴審で請求した書証について
ア.一審判決後に作成された書証である。
イ.被害者は立会っているが被告人は立会っておらず,被害者の一方的な指示によるものである。
ウ.当日は祭日で一般のお客が多数入っていた状況が写っていない。
エ.請求予定の書証の量は多数に及ぶが,本件は撮影最大時間が5分であり,写真の状況,撮影の状況は上記1.2.で述べたとおりであり,靴売場の撮影時間は2〜3分以内で撮影枚数は数枚である。
オ.検察官は実況見分調書によって,被告人と被害者の撮影時の距離が約0.9mから約1.8mと接近していたことを証明しようとしている。
 しかし,被害者は被告人に写真を撮られたことも,シャッター音を聞いていないのであるから,このように接近して撮影した場合,夫から後ろに不審人物がいることを警告され,警戒していたはずの被害者が気づかないのは不自然であるし,被告人上申書のその余の反論を併せ考えると,撮影時3mから4m離れていたとの被告人の供述調書の方が,信用性が高い。
 また警察が実況見分時使用した携帯電話の機種はF505iであり,被告人の本件で使用した機種はF505iGPSであるから同じ機種を使用したとの警察の主張は誤りである。
カ.本件書証は何れも反対尋問を受けていないので信用性が担保されていない。
キ.証拠の収集は本来予断をもたないで適時,適正に収集し,客観的な事実が確定した後に法の適用の有無を検討するのが常道である。
 然し,本件追起訴直前の被害者夫婦の取調べは追起訴を目的とした捜査と考えられ,また今回請求予定の書証は一審判決後,一審判決を覆す目的で作成されたものと認められる。
 上記書証の作成につき,見分に立会った被害者,捜査官,供述調書作成の被害者の夫らは何れも本件について有罪の判決を求めている共通の立場の人達である。
 書証の信用性については疑問があり,十分慎重な配慮の必要がある。
9.甲第2号及び乙第2号証添付の本件11枚以外の写真の立証趣旨について
 本件写真の事前準備段階の立会検察官と弁護人の打合せにおいて弁護人は本件11枚の写真以外の写真については不同意するとの意見を述べたが,検察官は11枚以外については立証趣旨を情状するとの前提で同意を求めたため同意したものである。
 尚,11枚以外の写真については便宜上分離しないこととした。
 この経過は一審立会書記官にも期日前に報告済みである。
 上記立証の趣旨の点については,平成19年7月9日御庁立会書記官に確認を求められたところ,公判調書には立証趣旨が分離されたことの記載が無いことが判明したが,この点についての事実は上記のとおりである。
 よって,本件11枚以外の写真については立証の趣旨上の制約がある。
二,条例2条の2第4号について
1.同号は前各号1〜3号と同等若しくはそれ以上の罪質に該当する卑わいな行為を禁止していると解すべきである(各号と法定刑は同じ)。
 前各号が類型的具体的に構成要件を規定しているのに対し,4号は「前3号に掲げるもののほか,卑わいな行動をすること」と極めて抽象的な構成要件となっており,罪刑法定主義の原則上問題なしとしない。
 因みに,栃木県のめいわく防止条例では本号のような抽象的な規定はない。
 また,第2号が栃木県条例第三条二のように構成要件を明確に規定していれば,本件のように誤った略式起訴は避けられたものと解されるわけで4号の解釈適用にあたっては拡張解釈は許されず限定的解釈をすべきである。
 本項の解釈適用に当っては特に拡張解釈を慎み,疑わしきは罰せず又は被告人に有利に,の大原則を尊重すべきである。
 一審判決は各問題点について検察官の主張も十分吟味した上で結論を出しており,信頼すべきである。
 一審判決は疑わしきは被告人の有利に,また罰せずの法理を尊重した上の判決と理解される。
 特に略式請求に対して裁判の厳正を期するため通常手続に付するのが相当と決定し,その結果第2号について無罪の判決に至った。(検察官もこれを納得して控訴審で訴因変更罰条取下)
 誤判を防いだ判断は尊重に値する。
2.結論
イ.本件は原判決適示の理由及び上記一,で述べた理由を総合して判断すると第4号には該当しないので無罪の判決を求める。
 因みに日本語大辞典(講談社金田一春彦外2名監修)によれば,卑わい(淫ら,狼ら)とは,下品でみだらなこととあり,またみだらとは,男女の関係が乱れているさま,不品行,わいせつ,いんわい,とあり,そもそも本件撮影に至るまでの行為は4号規定の卑わいな言動にはあたらないと解すべきである。
ロ.本件撮影行為は写真撮影をするという一箇の犯罪的意思において総合統一せられた撮影に至までの部分的行為と手段・結果の関係において実現されたものであるから一罪であり,本件のように本来の目的である本件撮影行為の犯罪性が否定された揚合,写真撮影をする意思も当然犯罪性が認められず,撮影に至るまでの行為も犯罪性を失うと解すべきである。
ハ.前条(1)〜3号と4号との比較
(1)号は身体に触れる行為であり身体を直接侵害する行為であるが,本件は直接の侵害行為は見られない。
(2)号は衣服等で覆われている身体または下着をのぞき見し,又は撮影すること及び(3)号は実質的に(2)号と同質の行為である。
 これに対し,本件は衣服の上から撮影することを目的とし,のぞきを目的としていないから,目的において犯罪性がなく本件手段行為も犯罪性がない。
 少なくとも(2),(3)の行為に比べ反社会性は著しく劣り,同質の行為とは認められない。
 よって本件は本条第1〜3号と同等若しくはそれ以上の罪質とは認め難いので第4号には該当しないので無罪である。
二.被告人は上川神社際の当日休暇を利用して○○店に買物に出かけ,店に入ろうとして玄関に向かったところ,前にいる被害者を見かけた。
 被告人は被害者の後ろ姿を見て美しい人だと感じ,たまたま持参していた携帯電話のカメラで後ろ姿の写真を写そうと考え,本人の了解を得ていないので目立たないようにカメラの位置を少し低くして,画面をのぞいて相手を見ることもなく,雑な方法で11枚の写真を撮った。
 その時間は途中ベンチで休んだ時間も入れて最大5分であった。
 被害者の買物予定時間を仮に1時間とか2時間とすれば極めて短い時間である。
 撮影した写真はすべて,夫,子供或いは買物客が写り,ボケタ写真もあった。
 被告人の行為は計画性のない偶発的な行為であり,またのぞき見の行為が違法なことは○○教授のような報道を見て知識はあったが,衣類を着た上から写真を撮ることが犯罪になるとは思っていなかった。
 本件は捜査の結果,撮影行為につき本条例第2条の2第1項2号違反として略式起訴され,その後撮影に至るまでの行為につき同項4号違反として追起訴された。
 一審では両事件について無罪の判決があったが,検事控訴となり控訴審において2号事件の取下げがあったものの,4号事件については判決に至った。
 被告人は一審において私が軽率な行為をしたために相手方にも関係者の皆さんにも迷惑を掛けて申し訳ない。二度と今回のような行動をしないよう自覚ある行動をとることを誓い,反省している。
 また職揚では○○として後輩の指導を行なっており,再犯の可能性はない。
 人間は聖人君子ではないので,道徳や社会常識に反する過ちが生ずることは否定できない。
 本件被告人の行為を犯罪として有罪とするには本条に違反することにつき確固たる根拠が必要なことは言うまでもない。
 前述のとおり構成要件の不明確な本条の適用について格別に慎重な判断を求め,一審同様の判決を上申します

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